平成24年5月22日 47newsから
http://www.47news.jp/news/2012/05/post_20120522105655.html
(記事の要約)
神奈川県の茅ケ崎市立小和田小学校で4年生の通知表などが紛失した事件で茅ケ崎署は21日、同校の女性教諭を公文書等毀棄容疑で逮捕した。
女性教諭は4年生の担任だった男性教諭に交際を断られ、困らせたかったと供述し、容疑を認めている。
(所内の雑感)
事務員:なんとも情けない話ですが、なぜ、本件では窃盗罪にならなかったのでしょうか。
弁護士:それは、窃盗罪の成立には、他人の物を取得するという認識だけではなく、さらに、不法領得の意思というものが必要なのですが、本件ではそれがなかったからです。
不法領得の意思とは、「権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用し処分する意思」です。
これは、一時使用のために物を持って行く場合や毀棄・隠匿と区別するためです。
一時使用であれば処罰の対象となりませんが、物を持って行くという外形は同じであるため、その区別のために、自己の所有物とする意思も必要だとされています。
また、毀棄・隠匿の場合、窃盗罪と法定刑が違うため、やはり持って行くという同じ外形であるところを区別する必要があるからです。