離婚の相談の際、「慰謝料はどの程度とれますか?」と聞かれることが多い。
「500万円です」とか、「1000万円は取れるでしょう」と言ってあげたいが、話はそう簡単ではない。
交通事故なら、後遺症の場合にも、単なる傷害だけの場合でも、慰謝料の相場が公表されており、裁判でも相場をそれほど外れることはない。
離婚では、婚姻費用や養育費については、夫と妻の収入などから算定するグラフを、家庭裁判所がネットなどで発表しているが、慰謝料については発表していない。
実は、20年ほど前だったか、ある裁判官が離婚慰謝料の算定式を作ったとかいう話を聞いたことがあったが、その話はそのまま立ち消えしたのか、がせネタであったのか、どこにも発表されなかったようだ。
離婚慰謝料のむずかしさは、相手方の職業や収入、離婚原因、結婚期間などで金額が異なってくるというところにある。
なお、週刊誌などによると、有名なプロ野球選手の離婚では、妻が何億ものお金をもらったという話が掲載されているが、それは財産分与が多額になるからであって、慰謝料だけでそれほど高額になることはない。
弁護士が関与する離婚事件で、一般的に多い額は100万円から300万円程度であるといわれている。
《そんなに少ないの!》と言われそうだがこれが実情である。
我が事務所のケースでも、相手が医者の場合に500万円を超す慰謝料を取ったこともあるが、これは例外的なものであって、やはり100万円から300万円程度が現在の離婚の慰謝料の相場というところだろう。
あの法律はここに注目!