遠隔地の裁判所①―熊野支部への出張
昔は、裁判や調停は、
原則として、その裁判や調停をする裁判所に行く必要がありました。
裁判所が近い場合はいいのですが、
遠い地域の裁判所に出張するのは大変です。
東京にはたまに出張しますし、
現在も鹿児島家裁に出張していますが、
一番、遠かったという印象があるのは、
今から３０年ほど前に行った津地方裁判所熊野支部です。
紀伊半島の南端より更にかなり東側にある裁判所ですが、
まぁ、その「遠い」こと・・
距離的には東京の方が遠いですが、
熊野支部は交通の便が悪く
バスや列車の乗継ぎで４～５時間かかり、
日帰りで家に帰りついたときには本当にぐったりした記憶があります。
しかも、現実の裁判は、書面の交換だけで
２～３分で終わることもありました。
なんとかならんのか、出廷する必要があるのか
という疑問がありました。
ただ、熊野支部は裁判所から１５分程度歩けば
海岸に行きつき、そこらは吉野熊野国立公園です。
目の前には黒潮流れる太平洋が一面に広がり
海は透明で底まで見えます。
浜には波で磨き抜かれた小判大の石が敷き詰められ
鬼ケ城という奇岩のあることでも有名な観光名所です。
列車やバスの時間待ちで
防波堤でカワハギを釣っている人見たり
浜できれいな石ころを拾ったりして
のんびりとした時間を楽しんだ経験があります。
この裁判所へは出張というより
やむなく「小旅行」気分で楽しんでいましたが。
