当事務所の弁護士大澤龍司(27期)、北野英彦(62期)、岡井理紗(68期)に、
この事務所がどういう事務所なのか、事務所に入ってからの仕事の内容等をインタビューしました。
ご覧いただき、応募される際の参考にしていただければと思います。
岡井先生、大澤龍司法律事務所を選んだ理由は。
【岡井】いろんな事務所の面接に行きましたが、似たような面接をするところが多くて、
その事務所が普段どういうことをしているかとか、先生たちがどういった雰囲気で仕事をしているかがわからなくて、みんな同じようなイメージだったんです。
けれど、ここの面接にきて、論文についての議論も楽しくさせていただけましたし、両先生が活発に意見をおっしゃるという姿が見られたので、就職してからの様子がわかるような気がして、安心できました。
こんな雰囲気だったら仕事しやすいかなと思って、選ばせていただきました。
実際に事務所で働いてみた感想をお聞かせください。【岡井】想像していたとおりです。
他の事務所の話を聞いていると、あまり細かく教えていただいたりとかはできないみたいなんです。
この事務所では細かいところまで指導していただけるのはありがたいなと思っています。
弁護士が部屋にこもるのではなく、一つの部屋で、みんなの顔が見え、声が聞こえる中で、和気藹々というか、自由に仕事をしている感じで、そんなに話しにくいこともないし、なんでも相談できるので、いい環境だと思っています。
弁護士としてのよさというのを感じることがありますか。【岡井】法律相談で来られた方でも、不安気な感じで来られた方が、話を聞いて、納得されているのとかを見ると、やっぱりこうやって不安を取り除いていってあげられるんだなと思って、そういうところは良さだと思います。
先生方、当事務所の良さはどういうところですか。
【北野】一番大きなところは、他の人の仕事を目の当たりにできるところでしょう。
それこそ、電話でどんなことをしゃべっている、裁判期日に行ってどんなことをしゃべっている、書面はどんな風に作っている、どういう過程を経て書面であるとか成果ができあがっていく、ということを目の当たりにしながら、お互いの仕事を見つめあっているというところが、一番大きな特徴ですね。
それから、「スピーディーさ」も魅力だと思っています。人間と人間の距離が近いと、それだけレスポンスが早くなるので。
レスポンスの良さとかスピーディーさは、うちの事務所の良さかなと思っています。
【大澤】僕は終始一貫して、「弁護士は部屋にこもるな」という方針で40年、やってきました。
弁護士同士で、事務スタッフとも話ができる。
だから、弁護士間や事務スタッフとの連携がいい。
事務スタッフの仕事も見えるし、電話しているのも聞こえるし、弁護士が電話していても事務スタッフには聞こえる。
そのため、事務スタッフと弁護士が協力して、事件に対するレスポンスがよいというのが仕事の仕方についての特徴ですね。
また、依頼者の立場に立って問題を解決するというのも事務所の方針としている。
実は、今年に入って相談者の方が4人、泣かれている。
相談者がこころに重いものを抱え、悩んで弁護士のところにやってきた。
その所に弁護士がアプローチをし、こころの奥に秘めた感情を吐き出すことができた場合もあるし、またどうしていいのかわからないことが弁護士のアドバイスで解決の道が見えた、その安堵の涙でもある。
例えば、若い女性とお父さんがストーカーに悩んでいることで来て、解決方針を説明した、相談が終わったとき、お父さんの目から涙がスーとこぼれた、あれなんか本当に安堵したということなんだろうね。
そういうふうな依頼者のこころに届く法律相談ができる、あるいは事件解決できる事務所でありたいと思うけどね。
【岡井】事件の全体を全員が把握しているような感じがあります。
事務スタッフの方が、事件の中身まで深く知っていて、弁護士と一緒に事件のことを考えている、その団結力が他の事務所との違いかなと思います。
【北野】事務スタッフとの間で共同作業をしているというイメージが一番強いですね。
書面をつくるところからそうですし、事前調査でもそうですし、物事を調べるにも、どういう段取りでどういう手順で何からやって行く、それについてどんな費用・時間がかかる、といったコーディネートを一緒になってやっていけます。
詳しくは聞いたことないですけど、他の事務所はそこまでいかないと思いますね。
【大澤】法律的な判断は弁護士の方が当然、上だとは思うけど、事実関係についての判断は弁護士も事務スタッフもそれほど変わらないというのが僕の基本的なスタンスなんです。
事務スタッフから、「先生、こういうことだと思います」ってことは、どんどん言ってもらって、「ああ、なるほどそうか、そういう考え方もあるのか」と思うことも多いね。
いろんな目、特に弁護士ではない事務スタッフの目から見ればどう見えるか、これを聞きたいということがある。
次に、依頼者サービスから言ったら、事務スタッフとワンセットになって動かないと駄目なのではないかと。
弁護士がいなかったら事務スタッフが対応する、事務スタッフがいなかったら弁護士が対応する、そういう場面である程度の範囲ではあるけれども、どちらも対応できてレスポンスをよくするという必要がある、それがうちの事務所の一貫した姿勢やね。
事務スタッフから見た弁護士の印象は?
【芝田:当事務所スタッフリーダー】うちの事務所は一緒に事件を解決するひとつの戦力として事務スタッフを扱っていただいているので、とてもうれしいです。
弁護士から「君はどう思う?」みたいな形で、よく意見を聞かますが、自分なりの意見を言ったことで、ひとつの解決策というか、それを一緒に模索しているという感じがするので、一緒に解決していくという方向性や、協働でやっていけるということがあって、仕事のやりがいも感じます。
【大澤】もうひとつ、事務スタッフから意見を聞くことの良さは、事務スタッフに依頼者の側に立って考えてもらうというところにある。
「君が依頼者だったら、この書面をどう思うやろうか?」、「この説明、依頼者だったらわかるやろうか」ということを事務スタッフに問いかける。
事務スタッフから依頼者目線での回答が返ってくる、そこがやっぱり「なるほどなぁ」と思うときがある、これもうちの良さやね。
大澤先生から見た北野先生、岡井先生の感想はどうでしょうか。
【大澤】北野先生は本当に頑張り屋さんだね。一生懸命やるよね。
そこまでやらなくてもいいだろうと思うところまでやるよね。それは一番いいところだね。
そういう一生懸命仕事しているということは当然伝わっていくわけで、依頼者から見たら非常に信頼できる人たちじゃないかなと、そういう弁護士なんじゃないかなという感じはするよね。
岡井先生については、まだ未知数なんだけども、対人関係で人の話をよく聞いているのではないかなと思う。
依頼者の方から見たら「この先生だったら話しやすいな」という印象を受けているんだろうと思う。
一番基本的な、依頼者との信頼関係を築けるということについては、人の話を聞けるということは重要なところだね。
それ以上のところは、これからの勉強にかかってくると思うんだけれども。
【北野】大澤先生は、僕とは知識も経験も人間的な要素ももちろん全然違いますので、僕にはまだ解決の仕方として選べない選択肢をたくさんもっておられる。
そこについて、僕はまだ学ばないといけないことがたくさんあるのかなと思っています。
もちろん、自分が大澤先生より前に出ないといけないところ、例えば新しい法律の知識は大澤先生には負けませんよと、あるいは、パワフルさ、フットワークで、若い僕のほうが負けませんよと、そういう意味では前に出ないといけないところはあると思いますが、まだまだ学ぶところは多いのかなと思っています。
岡井先生に関して言いますと、自分の1年目を思い出してどうだったかと言いたいところはあるんですが、普段いろいろ話をしている中で何かを吸収しようとする姿勢は非常に強いのかなと。
まだ芽も出たばかりで、花もつぼみもついていない状況だと思うんですけど、それがいろんなものを吸収していく中で、いつかどこかでそれが自分の色になって出てくるのがどんな感じなのかなと、ちょっと上から目線ですが、楽しみにしています。
【岡井】大澤先生については、北野先生もおっしゃっていましたが、依頼者とのコミュニケーションのとり方とか、距離のつめ方とかを見ても、まだ私には全然真似できません。
「今までの経験上こう」って言ったことが、大体その通りになることがすごく多くて。
私もこれから弁護士をやっていったら身につくのかなというのが、ちょっと不安になるところでもあるんですけど、そういうところを見習っていきたいなと思っています。
北野先生は、本当に一生懸命仕事をされているというのがわかって、私が「こういうことかな」と思いついたら、北野先生はほとんど先に考えていらっしゃって、いろんなパターンを考えていらっしゃって、端から端まで調べたりして準備をされているので、私はそういうところも見習っていかないといけないなと思っています。
当事務所は民事が殆どですが、関与している案件についてお聞かせください。
【大澤】相続案件は、かなりの部分が僕ですね。相続に特化して、できるだけ知識を蓄えていこうと。
それとは別に、従来の依頼者でやっぱり僕でないとできない事件があるんですよね。人間関係でね。
北野先生について言えば、馬力のいる事件をやっていただいている。
【北野】この1、2年を見てますと相続事件は大澤先生がしておられるので、最近、比較的多いのは離婚事件ですが、事件のバリエーションが一分野にかたよった事件ではないので、いろんな事件のやり方を勉強できるかなとは思います。
【岡井】現在は、大澤弁護士と北野弁護士のサポートが中心ですね。
実際の業務におけるやりがい、苦労などをお聞かせください。
【大澤】法律相談にしても、さっき岡井先生も言っていたけど、不安そうに下を向いていた人が、帰るときに上を向くように安心して帰っていくのがうれしい。
事件が終了したときに「先生ありがとうございました」と言ってくれる、そういう場面に接すると、ああ役に立ったんだなと。
感謝していただく、あるいは役に立っているというのが、手に取って見える、実感できるというのが、僕のやりたいことだし、現にやっていることだね。
【北野】何をやっても一番難しいと思うのが、依頼者の気持ちと、相手方の気持ちと、あと他の人の気持ちももちろんありますけど、二人の気持ちの中で、いかに弁護士が立ち回って、どう事件をコーディネートしていく、あるいはコントロールしていって解決へと導いていくのかというのが、一番難しいなあと思いますね。
大澤先生みたいに経験も年齢も人間の深さもないですから、私みたいな若僧がどうなのかなと思って見ていられると思っていますから、依頼者もそうですし、相手方に対しても信頼を受けながらやっていくのはどうしたらいいのかと悩みながらやっています。それが一番悩ましいです。
【大澤】解決のためには、当然依頼者のことを考えないといけないけど、依頼者のことばかり考えるのではなくて、終わって「いい解決だな」というには、場合によっては依頼者を説得しなければいけない場面もあるよね。
依頼者のことばっかり言っている弁護士に会うと「ちょっと違うんじゃないかな」と。
これは自分が調停委員をやっているからそう思うのかもしれないけどね。 終わった時に、双方にとってよかったと、もちろんこちらにとっていいのが一番なんだけど、向こうにとっても若干はよかったなと、もっと理想論から言えば、向こうからしても「敵方ではあるけど、いい弁護士だったな」という、そう思ってもらえるのが、僕にとっての理想かな。
【岡井】難しさの面ですけど、私はまだそういうのには直面してないんですが、依頼者の人はこう言っているけどもここは強く依頼者の方に言って、我慢してもらうというか、依頼者の方を説得しないといけないところとか、うんうんと聞いてあげるだけでなく、強めに言ってあげないといけない場面とかが来た時に、それを依頼者の方に言うのって、その場面になるとすごく難しいのではないかなと思うんです。先生方はそういう場面でも上手にやっているんですけど、自分がそうやるとなると、難しいだろうなと思います。
事務所の将来の方向についてお聞かせください。
【大澤】僕はいずれ引退する時期が来る。
そのため、僕がいなくてもできるような事務所の基盤を作るのが今なんだね。
事務所の事件をめちゃくちゃ増やそうとは思っていないけど、ある程度は増やす経営方針が必要だろう。
今、岡井先生に、新しい方向を模索する手伝いをしてもらっている、そういう路線上でいきたいのがまずひとつ。
それと、金儲けではない社会的に役立つことも何かしたいなと。
ある意味では僕の最後の仕事みたいな感じでね。
それを模索しているというのが、今かな。
どんな修習生に事務所に来て頂きたいですか。【岡井】仕事を一緒に一生懸命できて、この事務所の雰囲気に合った方と一緒に協力して仕事がしていきたいです。
【北野】一言で「へこたれない修習生」。
【大澤】僕も一言で「他人に目がいく修習生」。
自分だけじゃなくて、他人の思いを察知してそれにちゃんとコミットできる人。