別荘地の管理人さんの自動車で先生の別荘に送ってもらった。
道路の脇にはまだ雪が消え残っていた。
別荘について車を降りたとき、道路に緑色のぽつぽつとしたものがある。
よく見ると、道路の真ん中にフキノトウが生えているのだ。
妙高では、どこにでも生えていた。
別荘の前の道路の真ん中にはえているフキノトウ
フキノトウは自体はそんなに珍しいものではない。
自宅の家の庭にも毎年4~5個程度は顔を出す(生えてくる)。
驚いたのは、花の色である。
家のは、花の色が白っぽく、カサカサしたような感じがする。
ここでは花が少し黄色味がかっていて、爽やかでういういしい。
(山菜が好きな人なら天ぷらにしたらおいしそうというのではなかろうか。)
それは妙高の、しかも林の中というその場の条件のせいかもしれない。
それにしても《フキノトウがこんなにきれいとは》知らなかった。
この中心のうす黄色に美しさを感じた
先生の家を出て、少し下ると、雪解け水が流れる小川がある。
別荘近くの小川(右上の白い部分は残雪)
2日目の朝、そこを通ると、細い流れのそばに白い花が2~30本ほど生えている。
しぼんで下も向いているので、花の形はわからない。
ほら、このとおり花を閉じて下を向いている
先生によると、これらは《キクザキイチゲ》という花で、夜は眠るが、昼は花を開くという。
その日の昼に見ると、確かにつぼみが上を向き、花弁も開いていた。
菊のような形の花姿であった。
《キクザキ》とは《菊咲》ということのようだ。
昼間には、元気よく上向き
坂の下りていくと、道の脇にうす紫の花が3輪ほど咲いていた。
少し肉厚の葉がたくましい!
斜面にあったので、《あれは何の花ですか?》と尋ねたところ、
《カタクリ》という先生の答えが返ってきた。
現物を見たのは初めてだ。
近づいて見ると、花弁が途中で折り返っており、間違いなくカタクリのようだ。
写真などで見ると、華奢な感じの花という印象がある。
しかし、葉はがっちりとし意外とたくましい。
何メートルの雪が積もる中を耐えて生きているのだから
たくましくもなるのだろう。
花の話が続いたついでに《ミズバショウ》の話もしよう。
いもり池にいけば《ミズバショウ》の大規模な群落が見られる。
いもり池のミズバショウ群落
しかし、群落でなくてもいいというなら、この辺りの湿地にはそこそこ生えている。
先生の別荘を出て、歩いて5分くらい下ったところの湿地にも2~3本ほど、生えていた。
また、バスの窓からも見えた小川にも、数は少ないにしても、ミズバショウが生えているところを何か所も見た。
アップしてみると、白と黄色のとりあわせがきれいだ
別荘の管理人の人と話をした。
《ミズバショウというのはがっちりして大きいですよね》と言うと、《そう、あれの葉を取って肥料にしていたんだ》とか、《あれを抜き取ろうとしてひっぱったが、根っこでつながっていて取れなかった》ということも教えてくれた。
写真では小さな花という感じがするが、カタクリと同様、なかなかたくましい。
管理人の方は地元の方で植物のことをよくご存じで、《ここに山ブドウがある》とか、《これが山菜のこごみ。ただ、葉が開くと食べられない》という話を聞かせてくれた。
土から噴き出した、この力強さを見よ
この写真のシダを見ていただきたい。
このシダも印象深い。
なんという造形だろう。
地中からガァーと手を突き出しているようで、《雪も解けた、さぁ、でるぞー》という気持ちを形で表せば、このような力強い姿になるのだろう。
ショウジョウバカマ
家の近くの私市でも生えているが、ここの方が花のピンク色が濃い
ここ妙高では、5月の始めになって、やっと桜が咲きだしたというが、フキノトウもキクザキイチゲもカタクリも、そして、ショウジョウバカマも、ほぼ同じような時期に咲きだし、いもり池の近くのこぶしも枝にいっぱい、白い花をつけていた。
いもり池付近のキタコブシ
一体いくらの花をつけているのだろう
いもり池あたりで、標高750メートル程度と聞いた。
この高さでは、雪が解ければ、地中から草花が一時に噴き出してくるという印象であった。
※なお、当初「いもり池あたりで、標高1100メートル程度」と書いていましたが、好田先生からのご指摘を受けて「750メートル」に訂正します。
(弁護士 大澤龍司)
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