冬の奈良を歩く①
《仏像を見て、どう思う?》
鹿が人にあるいは人が鹿に戯れているのか、
そんな奈良公園内に奈良国立博物館がある。
その別館の仏像館に、昨年末に行ってきた。
ここ数年、年末に奈良に一泊しており、
その際、毎回、仏像館に入る。
最初の年は、全部を見ようと頑張ったが、
見終わったとき、くたくたになってしまった。
一生懸命に見るというのはものすごく疲れることだ。
最近は十一面観音と小さな金銅仏しか見ない。
表情から悟りや慈悲などが感じられるかという観点で見て、
これを作った仏師は何を表現したかったのかということしか考えない。
一緒に行った長男に《この仏像を見て、どう思う?》と聞いてみた。
《安らかな顔をしている》という答えが返ってきた。
仏像の出来がいいのか、あるいは親子であるせいか、
《同じことを感じているな・・》とすこし、うれしかった。
仏像館の正面入口
(弁護士 大澤龍司)