冬の奈良を歩く⑥
《飛火野の夕焼けを見たくて》
いつもこの野原ではかなり長い時間を過ごす。
夕焼けを見たいからである。
木の向こうは下り斜面なので
うるさい背景がなく、空が広がっている。
この木の向こうに夕陽が沈む。
その景色を見たいし、写真も撮りたい。
これまで、雨の日はなかったが、すばらしい夕焼けという日もなかった。
それでも、木がシルエットになって空が暗さを増していく。
そんな時間が楽しみでここに来ている。
もう、寒くなってきた。
太陽が沈みきってしまう前に宿のある高畑へ歩き出そう。
木のシルエットが浮かび上がる夕暮れ
(弁護士 大澤龍司)