外部リンク:広がる「#KuToo」 パンプス反対署名、1万人超える
職場で女性がパンプスを強制されていることに対する問題意識のようだ。
かつて私も若い頃、ホテルで5年ほどウェイターの仕事をしていたことがあるが、そのときは(格式を重視する)サービス業ということもあり、男性も女性も髪型から服装から靴まで指定され、女性はパンプス(という名称でよいか分からないが)であった。
宴会の仕事では男性も女性も関係なく準備や片づけに走り回り、女性スタッフもテーブルやイス、お皿や飲み物など重い荷物をもって1日何万歩と歩き回るので、相当足に負担がかかる。
そのため、仕事が終わって控え室に戻った瞬間にみんな一斉に靴を脱いで足をほぐしていた。
そんな思いをしてでも靴や服装にルールを受け入れているのは、ホテルでの服装はひとえに企業経営側が目指す「顧客サービス」の一つであるからだ。ここは営業の自由の観点からある程度尊重されなければならない。
たしかに、顧客目線で言えばスニーカーやサンダルよりもパンプスの方がきっちり仕事をしてくれそうな印象をもってしまう。これは、私も含め人を服装など第一印象で判断してしまう社会で育ってきた結果なのだろう。
しかし、(弁護士になって分かったことだが)ホントにいい仕事をする人は服装も髪型も身に着けている時計も全く関係ない。個人的には、(極端な格好は除くが)お客さんサービスを気にしない場所であれば細かいルールを決める必要はないと思う。女性も別にスニーカーで仕事してよいと思うし、事務作業もスニーカーの方が疲れず、作業効率が数パーセントは上がるかもしれない。
(ついでにいえば、男性もスーツ一辺倒というビジネスマナーはやはり疲れる)
以前に当ブログで取り上げた公務員のひげ問題もそうだが、顧客サービス(ないし企業のイメージ戦略)とスタッフの個人的自由の問題はやはり難しいが、ビジネスとして本当に必要なルールの範囲はもっと議論されるべきだと思う。
(弁護士 北野英彦)