昨日の統一地方選挙で、41の道府県全体では、自民党が過半数の議席を獲得した。
大阪では、大阪府知事と大阪市長のダブル選が話題になったが、その結果、その両方で大阪維新の会の2人が当選し、府議会選挙でも大阪維新の会が過半数を獲得した。
これにより、大阪都構想が前進する可能性が高いようだ。
大阪都構想は、府と市の二重行政を解消し、一体となって意思決定ができる点や、無駄な支出が削減される点にメリットがあると説明されるが、体制作りに莫大な費用がかかると予想されており、今後の議論・説明が注目されるところである。
さて、そんな中、記事によれば、兵庫県議選伊丹市選挙区では、候補者の一人が居住期間の要件を満たさず、被選挙権がないことが判明し、一部投票が無効になったとのことである。
県の選挙管理委員会は、「被選挙権がないことを周知する規定がなく、選挙妨害にもなるため、周知しなかった」と説明しているようだが、わかっていて周知しないとは驚きである。
そもそも被選挙権がないのに、選挙妨害も何もない。
むしろ、被選挙権がない候補者への投票はすべて無効になってしまっており、これこそ投票をした市民や他の立候補者への選挙妨害ではないのか。
投票を無効にされた市民からすれば、自身の選挙権が侵害されたという大きな問題がある。
また、無効になった票が別の候補者に入れられていれば、結果が変わったかもしれないというような状況であれば、他の立候補者にとっても非常に大きな問題である。
そもそも、居住期間が足りているかどうかというような単純な要件であれば、立候補をされた時点で確認しておくべきことであり、立候補が受け付けられ、選挙活動をするにまで至ったこともおかしな話である。
選挙管理委員会には、起きた問題に柔軟に対応し、二度と選挙権がないがしろにされるような結果が生じないよう努めてほしい。
(弁護士 岡井理紗)