楓で思い出す話をもう一つ、してみよう。
昔、友人が連れてきた女性がいた。
名前を聞いたら、ひらかなで《ふう》という。
やや小柄で、ふっくらとした人であった。
2回程度しか会わなかったので、顔は覚えていない。
しかし、名前は今もしっかりと覚えている。
《ふう》、なんてすばらしいネーミングなんだ。
どんな親がこの名をつけたのだろう、
その《ふう》の親に会いたいと思った。
女の子が生まれていたのなら、
きっと、その名前をつけたに違いない。
その後、私には2人目の子が生まれたが、
残念ながら、男だった。
シンボルツリーにおもしろいものを見つけた。
地面に近いところに幹から直接、葉っぱが出ている。
3センチから7センチくらいで、少し色づいている。
堂々とした幹の木は《楓》という漢字の風格があるが、
この小さな葉っぱたちは
さしずめ、《ふう》というのが似つかわしい。