下蒜山からの下山道はいつしか林の中に入り、延々と階段が続いた。
きれいに整備はされていたが、階段の一段の高さが普通より高かった。
正確に測ったわけではないが、一倍半ぐらいはあったのではないか。
《恐ろしく膝に負担がかかる道だなぁ》と思った。
やっと麓の登山口についた時には午後5時だった。
合計8時間強の時間をかけ、蒜山3山を縦走したことになる。
かかった時間としては、ほぼ標準的なところだった。
迎えのバスに乗って、宿にたどりついたときにはもう太陽は西に沈みかけていた。
部屋に戻り、窓を見ると、今日、歩いてきた三山が夕暮れの中で悠然と聳(そび)えたっていた。