光太郎の愛 智恵子の愛③
高村光太郎はその妻智恵子との愛を
《智恵子抄》という詩集にした。
光太郎の妻に対する愛情があふれている。
しかし、果たして智恵子の愛はどうだったのか。
詩人室生犀星が智恵子に会った話を残している。
光太郎のアトリエを訪れた犀星が
応対に出た智恵子に門前払いをされた。
「いままで見た世間の女とまるで異なった気取りと冷淡と
・・バカにしている目付きに私は出会ったのである」
「夫には忠実でほかの客にはくそくらえ
という目つきで追い払われた」
光太郎により作りあげられた愛に包まれた姿、
犀星の記憶に残った冷淡な女、
果たして智恵子とはどのような人であったのか。
また、智恵子の愛はどのようなものだったのか。
※引用は、室生犀星「我が足する詩人の伝記」から※