安達太良山の麓、岳温泉を歩く⑥
上流の木々の間から流れ落ちてきた川の水は
この道路に出会って一瞬、その姿を見せ
すぐに下流の林の中に消えていく。
雨の降った後のせいか、勢いよく流れていた。
上流からの白く泡立ち、蛇のようにうねる流れは、
音を立てて下流に落ち込んでいき、
細い川ではあったが、
かなりの迫力があった。
何枚も写真を撮っていると
川の横の家から50代の女性が出てきて、
《昨日、釣り人が3匹の魚を釣ったんですよ》といった。
こんな川でと思ったが、
《ヤマメですか》と、知っている渓流魚の名を口にした。
特に返事はなかった。
道路から降りて、川のすぐそばに行った。
岩の周辺の水の中を眺めたが、
泡立つ流れの中に魚の影を見ることはできなかった。