安達太良山の麓、岳温泉を歩く⑦
私たち(というのは、私と長男)の旅行は足の旅行である。
行った先をひたすら歩き回る。
もちろん名所も見たいという気持ちもないではない。
しかし、それよりも、そこでしか見れないような
おもしろい景色を見たいと思っている。
きれいである必要はない。
あえて言えば、自分にとって《インパクトがある》、
言い換えれば長く記憶に残る景色をみたい。
今回の写真は、非常に印象に残った。
バス通りに面して、家が取り壊されていた。
坂に面しているので、家の敷地が3段になっている。
きれいに整地されてはおらず、
建物の基礎コンクリートやレンガなどの一部などが残っていた。
その中、一番下の段の水色のタイル貼りが印象的だった。
形は六角、広さから見て風呂場だったのだろう。
ほぼ全容がわかる形で残っている。
人が裸で入っていた場所がむき出しのままというのが
なんとも、恥ずかしく、痛々しい。
例えとして奇妙なのだが、ライオンに襲われた動物を思った。
はとんど白骨化しており、肉など食いつくされたのに
内臓の一部だけが残り、生々しく血の色をとどめている。
それほどの違和感、インパクト、
歩けば、本当、おもしろいものがあるなぁ。