事務所ブログ

てくてく旅行記

智恵子の生まれた故郷を歩く③

【《チエ》が毎日見ていた景色・・・】

《長沼チエ》、これが高村智恵子の元の名である。

この名前の方がこの人には良く似合う。

《智恵子》という都会風な名前は彼女には似合わない。

江戸っ子で洋行帰りの光太郎が勝手に名付けたのか。

田舎っぽい名前であると、東北の田舎生まれのチエが恥じて変えたものか。

あるいは、《青鞜》の影響を受けて自ら変えたのか。

《チエ》の生家の敷地は約560坪、父今朝吉の営む醸造業は順調であり、妻せんとの間には8人の子が生まれ、夫婦仲も円満であったに違いない。

8人兄弟の長女であり、少女時代は成績もよく、絵もうまかったので、《チエ》は親の自慢の娘であったに違いない。

写真は生家の座敷から庭を見た景色である。

天井から旧い傘型の電灯が下がっており、その右には鳥かごが吊られている。

カナリアでも飼っていたのだろうか。

5月の連休のさわやかな朝、このような穏やかな日の景色が《チエ》の周りにあった。

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