【囲炉裏の前の小さな智恵子】
帳場の奥(庭側)に台所があった。
かまどがあり、鍋が上から吊り下げられている。
藁で丸く編んで敷物が2つ、おかれていた。
そこに智恵子が座って、
料理をしている女中たちとしゃべるようなことがあったのかもしれない。
奥の部屋には囲炉裏があり、そこにも藁の敷物が3つ置かれていた。
《外は雪の日、鉄瓶から湯気がでており、
そこで背中を丸めた小さな智恵子が座っている》、
そんな情景が浮かんできそうだ。
と言っても、その時はさわやかな5月の朝だったけれども。