《この実があの大樹になるのか》
メタセコイアが道路の左右に250本ずつ植えられているが、
その幹は大人一人では抱えきれないほど太い。
中学生時代、友人3人と兵庫県の白川峠に植物化石を採集に行った。
そのとき、年上の人が採取したメタセコイアの化石を見せてもらった。
その中にシダの葉を細く、小さくしたようなメタセコイアの葉の化石があった。
また、松ぼっくりを丸く小さくした直径2センチ弱の種の化石もあった。
全く同じ形の実が道に落ちていた。
この実が高さ25メートルにもなるという、なんともすごい生命力だ。
この樹は戦前に日本で初めて化石として発見された。
その時は世界のどこにも存在せず、絶滅したと考えられていた。
ところが戦後、中国の四川省で生き残っているのが発見された。
その生き残りが、今、ここで成長している。
その太くてたくましい姿を見ると、絶滅しかかったというのが不思議だ。