日本海、竹野浜の秋①
いつもは城崎温泉駅で特急から普通に乗り換え、
次の竹野まで行く。
今回は、一駅前の豊岡で特急を降りた。
待つこと、10分くらいで列車が入ってきた。
「おっ、1両や!」、弟が声を出した。
この人は、《乗り鉄》で、めっぽう鉄道には詳しい。
この線の普通は通常は2両連結らしい。
車内は旅行客でほぼ満杯だった。
座席は背が直角で、リクライニングできず、
方向転換できない対面の4席だった。
浮き浮きとした気分が充満している。
《旅行って、こういうもんだ!》と思った。
昭和40年代、長野の野沢温泉の学生村に行ったときに、
何回も乗った中央線の特急の座席もこんな風だった。
席は固く、対面固定で、そして混んでいた。
昭和時代の旅行スタイルはそんなものだった。
あのころは若かったなぁなどと
昔の懐かしさに浸っている乗客を乗せ、
列車は玄武洞、城崎温泉を過ぎ、3つ目の竹野駅に向かっている。