あれから50年、再び大山へ⑳
大山は富士山ほどの高さはなく、すそ野もそれほど雄大でもないが、
海側からみると、頂上からなだらかにカーブを描く稜線がきれいだ。
地図を見ても等高線がきれいな同心円状になっている。
ただ、それ以外の方向から見る大山は全く山容を異にする。
頂上もギザギザで、山腹もえぐれている。
どうみても富士山とは似ても似つかない。
《なんとか銀座》商店街が日本の各地にあるように、
あらゆるところに《なんとか富士》がある。
しかし、大山は大山であり、堂々とした立派な山である。
富士山の名前など借る必要もない。
《なんとか富士》というミニコピー版の名称など、どうしてつけるのだろう。
これが有名なものや大きな権威にすがりたがる、
そんな日本人の性格からくるものだとすると少し悲しい。