事務所ブログ

てくてく旅行記

海はもの悲しく見える

秋の伊豆半島、山と石、海を見て歩く⑨

石廊崎灯台の先にも道が続いている。

溶岩の壁の中に細い階段があり、

それを降りていくと小さな神社があった。

そこから先、地面からつき出た岩があり、

その周囲を細い道が一巡りしている。

眼を下に向ければ、ほぼ垂直に落ち込んでいる。

これぞ岬の突端であり、行き止まりである。

この日、今にも雨が降りそうな天気で

空も海も灰色一色のように見えた。

ただ、崖を覗き込んだはるか下の水面が

紺色を薄めたような色合いだった。

普段見る晴れた日の海の元気な青色ではなく、

もの寂しく、なんとも悲しい色だった。

波が砕けたあたりだけなので、

岸にぶつかった際にできた海中の泡が

このような色を生み出しているのかもしれない。

岬の突端は風が強く、体が冷え切ってしまった。

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