秋の伊豆半島、山と石、海を見て歩く⑩
伊豆半島は本州の熱海あたりから海に突き出した半島である。
人間の手を握って、中指だけを突き出したような形といえようか。
その比喩で言えば、丁度、その爪先に当たるあたりに下田がある。
そのすぐ近く、爪木崎海岸の俵磯(たわらいそ)に行った。
この磯には柱状節理(ちゅうじょうせつり)がある。
溶けた溶岩などが急激に冷やされとき、岩に縦のひび割れが入る。
それが、あたかも6角形の鉛筆は何本も束ねたようの形状を呈する。
城崎温泉の玄武洞などはこの柱状節理で有名だが、
この他、火山岩の吹き出したところに、結構、高く険しい崖を形作っている。
俵磯のいいところは、その節理が海岸近くにあり、高さが低いことだ。
そのため、直接、岩の上に登ることもできる。
周りのほとんど何もない駐車場から歩いて5分でその磯についた。
あちらこちらに石の柱の束があり、簡単に登れそうなものがあった。
今にも雨が降りそうだったので、慌てて岩を上がっていった。
上から眺めた節理は正確な6角形ではないものも多かった。
蜂の巣のように6角形が整然と並んでいると思っていたが、
結構5角形も多く、予想に反して少し残念??だった。
まぁ、しかし、岩の上にどんと座ることができ、
岩を手で撫でることもできたのはいい経験だった。