ともかく早さが勝負!
Aさんから丹念に話を聞きました。
Aさんは不動産を売った直後に、この詐欺商法にひっかかったのです。内容を聞けば、聞くほど、高齢者を狙う詐欺商法であることは明らかです。
できるだけ早く対処する必要があることをAさんに説明し、事件を受任することにしました。
弁護士:「急いで対処した方がよいから、とにかく委任状を頂き、今日中に相手方と連絡をとりましょう。」
Aさん:「着手金はどうしましょうか?」
弁護士:「大した額でもないので、明日でもいいから振り込んでください」
早速、業者に連絡をして、預けた金銭全額の返還を要求!
委任状を貰った後、早速、業者にファックスでAさんの代理人になったという通知をいれ、念のため、内容証明郵便でも代理人受任通知を発送しました。
ファックスの後に業者に電話連絡をいれました。
「Aさんから預かった金銭を全額返還せよ。そのための交渉のため、私の事務所に来られたい」と申入れしたところ、業者側の担当者は一週間ほど先の日を指定してきました。「どうしてそんなに先になるんだ?あちこちに問題を起こして走り回っているのか?」と嫌味をいって、結局、3日後に業者を事務所に来させることになり、さぁ、頑張って交渉するぞと気合をいれておりましたところ・・・
ああ、最後のワナに・・
3時間ほど後に、業者からこんな内容の電話がありました「先生、解決しました。Aさんに納得してもらいました。」
話を聞いてみると、Aさんと円満に和解ができたというのです。
そんな馬鹿な、Aさんには直接交渉しないようにとあれほど言ってあったのにと思いながらAさんに電話をしたところ、連絡がとれませんでした。
結局、Aさんが業者からいくら返金してもらったのか、どのような内容で解決したのかは全く不明です。
弁護士との交渉をすると多額の返金を飲まされるかもしれないと考えた業者は、一部の金を返還するという方法をとったのでしょう。弁護士に頼むと費用が高くつくぞ、裁判をすると時間がかかるぞなどと言って、弁護士を排除するための最後のワナを仕掛けたのでしょう。
海外商品先物取引にはくれぐれも注意を!
着手金の支払われたのかということに興味を持たれる方がおられるかもしれません(いないかもしれませんが)。結論から言えばAさんからの支払はありませんでした。
そういう意味では、私も、ささやかながら海外商品先物取引の被害者なのであります。
ということで、皆さん、海外先物取引にはくれぐれも注意しましょう。(龍)