詐欺商法はどこにでもある。
昔、私(大澤)が弁護士になった直後(約35年前になります)に事件を担当したBさんから電話がありました。「投資信託ということで金を預けたのだが、本当に安全か心配になってきた」というのです。
話を聞いてみると、これまた海外商品先物取引で、こちらは2300万円を預けていました。「絶対大丈夫、投資信託みたいなものです」というような話があり、その「投資信託」というところが頭に残っていたのでしょう。
Aさんの場合とは異なる業者でしたが、勝手に商品取引をしている点は、Aさんの場合と全く同じです。
ただ、このケースでは、海外商品先物取引業者の勧誘の電話の直後に、Bさんの取引銀行の担当者(と名乗る者)から電話がありました。
その担当者はやたらと直前に電話があった海外商品先物取引業者をほめたようです。「当銀行では高い利率は出せないですが、あの業者なら大丈夫です。安心していいところです」と。
この話しを聞いて、Bさんはその海外商品先物取引業者を信用してしまいました。
この事件では幸いにして、弁護士が、全額ではありませんでしたが、かなりの金銭を業者から回収しました。
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現在、金融危機の影響で、海外商品先物取引の詐欺商法は下火のようです。
しかし、また、経済情勢が落ち着けば、また同様の誘いの手が伸びてきます。
「絶対、儲かります」と業者は誘います。しかし、今の世の中、そんなに簡単に儲かるような話はありません。
ハイリターン(多額の儲けが出る)という話は、ハイリスク(危険性が非常に高い、あるいは詐欺かもしれない)ということをくれぐれも頭の中に入れ、悪徳業者の甘い誘いに乗らないよう、是非、ご注意下さい。(龍)