(asahi.comから 2011.11.14)
http://www.asahi.com/national/update/1214/OSK201112140130.html
(記事の要約)
営利目的覚せい剤密輸などの罪に問われて裁判員裁判となった大阪の刑事事件で、検察は懲役15年、罰金700万円を求刑したが、言い渡された判決は求刑を上回る懲役18年、罰金800万円という内容であった。
(所内の雑感)
事務員:よくニュースで「検察側は、懲役○○年を求刑しました」というのを見ますよね。普通は懲役15年の求刑があると、判決は少し軽めで懲役13年くらいになることが多い気がするのですが。
弁護士:大抵の事件ではそうですよね。
事務員:求刑より重い判決なんて出してもいいのですか?
弁護士:刑事裁判を見に行くとわかるのですが、検察官が求刑を言う前に、裁判長が、「検察官の御意見を伺います」と話しかけるんですね。つまり、求刑は単なるあくまで検察官が考える独自の「意見」なので、裁判所はそれに従わないといけないわけじゃないんですよね。
事務員:じゃあ、裁判所は求刑とは関係なく自由に判決を出せるんですか?
弁護士:法律上、刑の範囲は犯罪ごとに決まっていますが、その範囲内では自由です。
事務員:そうなんですね。でも、犯罪を重く見るはずの検察官よりも、中立であるべき裁判所が重い刑を科すなどということがあっていいのでしょうか。
弁護士:検察官の求刑が軽すぎると思ったら、あるべき判決を打ち出すのも裁判員裁判の一つの役目なのかもしれませんね。