自転車保険に加入しましょう(弁護士 北野英彦)
前回の流れから、慰謝料の続きを書きたいと思っていたのですが、ここ最近、たまたま自転車事故の相談をお受けすることが続きました。
そこで、みなさまにご注意をいただきたく、今回は自転車事故について書いてみました。
かつては、交通事故のご相談と言えば自動車同士がぶつかった、あるいは自動車にはねられた事故が多かったのですが、ここ最近は自転車同士、あるいは歩行者が自転車にはねられた事故が増えています。
このような最近の自転車事故の当事者の方には、ある一つの重要な共通点がありました。
それは、誰も自転車保険に入っていなかった、ということです。
大阪府では、平成28年7月から自転車保険の加入が義務化されました。
(大阪府ウェブサイト:大阪府自転車条例)
つまり、大阪で自転車に乗る人はみなさん保険に加入しないといけません。
ある相談者の方(加害者となった方)は、
「保険に入っていなかったので相手に払うお金がない。そのうち家や給料を差し押さえられるのが怖い」
と心配しておられました。
また、自転車同士で衝突した被害者の方に話を聞くと、加害者が保険に入っておらず「治療費を払ってくれない。加害者を訴えてくれ」とえらく怒っていました。
(ただ、この方も「私も自転車保険は加入した憶えはありませんけどね。」とおっしゃっていましたので、加入を勧めておきました。)
自転車事故であっても100万円を超える賠償義務を負うことは珍しくありませんし、ニュースで見るような数千万円にも及ぶ賠償を命じられる事故もあります。
事故というのは、被害者はもちろん加害者になった場合も大変な事態です。
特に自転車の場合、被害者になるだけではなく加害者になる場合も増えてきています。
大阪では加入義務ができましたが、加入義務がなくとも自転車に乗る人は保険に加入しておきましょう。
ちなみに、自動車をお持ちの方は自転車保険(あるいは個人賠償責任保険)がオプションで付いていることもありますし、自宅の火災保険にも自転車事故に使える保険がくっついていることもあります(そのほかクレジットカードに付帯する保険や、学校・自転車店が窓口になっている保険もあります)。
みなさん自転車事故にはご注意を。