外部リンク:厚真で震度6弱 帰宅困難者が新千歳空港で一夜明かす JR列車内680人一時閉じ込め 北海道
昨晩、また北海道で強い地震があったようだ。
私も昨晩のうちにインターネットニュースで目にし、また同時に弁護士間のネットワークを通じて現地の先生から状況報告を受けて情報を知った。
半年前の北海道地震のときは、サッカー日本代表の試合が中止になった記憶がある。
試合を行えば大人数が一斉に移動するが、その途中で余震があった場合の被害を考えれば妥当な判断だったといえる。
弁護士は災害に対してなにができるのだろうか。
昨年の大阪北部地震、西日本豪雨、そして近畿地方に大きな被害をもたらした台風21号など昨年は大きな災害が重なり、私も災害関連の法律相談や依頼をいくつかいただいた。
最も多かったのは、地震や台風で屋根瓦が飛び、隣宅の車や家の窓ガラスを突き破って被害を与えたため、お隣さんともめている、というものだった。
こんなときに役立つはずであるのは、家の火災保険である。
火災保険の中には、お隣に被害を与えた場合に弁償するための保険も含んでいることがある。そのため火事などで隣宅に被害を与えた際の弁償に使える。
ところが、天災の場合、よほど危ない状態で放置していたわけでもなければ法的に弁償する責任はない。
そのため、せっかく加入していた火災保険も使えないケースが続出した。
保険が使えない状況でどうやってお隣さんに弁償するのか(あるいは逆に、弁償を請求するのか)という相談が一番多かった。
私は、保険がなければ弁償できないほど多額の迷惑をかけたことは事実なので、「法的な責任はさておき、迷惑をかけたのならせめて誠意くらいは示されてはどうですか」という方針でアドバイスを続けた。
今後も災害に関する案件に関わることがあると思うが、今回の地震の被害が大きくならないことを願いつつ、弁護士は災害に対してなにができるのか、引き続き考えていきたい。
(弁護士 北野英彦)