(asahi.comから)
http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201005040366.html
(記事の要約)
法務省は、婚外子の出生届について、従来「嫡出でない子」などといった記載を要求していた扱いを改め、母の戸籍に入籍する、といった記載をすれば届出を受理する方針を示した。
(新人弁護士のコメント)
非嫡出子(最近は「婚外子」とも呼ばれる)とは、父母が婚姻関係にない子のことである。たとえば、結婚せずに子供を産んで育てるシングルマザーの子などがこれにあたる。
法律上、非嫡出子は、父の認知まで父に扶養義務がない、両親が婚姻関係にある場合と比べて相続分が半分になる、氏や戸籍の記載が異なるなど、様々な違いがある。
その理由には「日本には法律婚制度があるので、子に法律上の保護を与えたいなら結婚すべきだ」というものがある。
筆者としては、結婚という親の事情で子どもが不利益を受けるというのはあまり理由にならないと思うが、この非嫡出子という制度の意味はどこにあるのだろうか。
(先輩弁護士のディスカッション)
弁護士A 「法律婚をしている妻からすれば、突然ダンナが外で作った子が登場して財産を渡せと言われても、なかなか感情的に受け入れられないでしょう。」
弁護士C 「愛人には内助の功もない、ということからも納得できない人が多いのではないでしょうか。」
弁護士B 「そうですね。ただ、『結婚しないと子どもが不幸になる』というくらいのことをしないと、社会道徳は貫けないとは思います。」
弁護士C 「道徳は大事だとしても、悪いのは親であって、子どもに罪はない。別の方法を考えるべきではないでしょうか。」
弁護士A 「普通の親なら、婚外子だろうと子どもは皆ひとしくかわいいものでしょう。婚外子だからといって相続分を減らしたいとは思っていないはずですよね。」
弁護士B 「それに、ただでさえ未婚の親は周囲から悪口を言われたり苦労している。さらに法律が追い討ちをかけるようなことはしないでもよいのではないでしょうか。」
(新人弁護士のつぶやき)
やはりこの問題は、社会道徳を貫くか、産まれてきた子を守るのか、という対立に行き着くようですね。家族のあり方も昔とはかなり違ってきており、今後は裁判所や国会がどういう立場を取るのか注目していきたいところですね。