「遺言を残しますか」という記事があった(2010年6月26付朝日新聞)。
遺言を残したいと思っている人は、なんと59%もいるという。
弁護士としては「そんなにもいないだろう」と思うが、その点は別として、この記事はなかなか興味深い。
遺言を残したくない理由も書かれており、「死の実感がない」からというのが18%もある。
55歳の会社の社長から遺言書を作成したいという相談を受けた。
子どももなく、妻は既に死亡しているものの、今、とりたてて病気もないという。
いままで経営していた会社を閉鎖し、これからは外国に行き、スキューバーダイビングをしたいともいう。
死の実感からではなく、《生の実感》を味わうための遺言ということのようだ。
「何歳まで生きると思っていますか」と聞くと、80歳くらいまでは生きるだろうという。
とすると、遺言が実行されるのは、25年も後の話になる。
遺言書には、その内容を実行する人(遺言執行者)を定めておくことが多く、この遺言では私がその執行者になったが、なんとも不安だ。
ということで、我が事務所の佐々木弁護士を次の執行者にし、更に北野弁護士までも第3番目の執行者にした。
北野弁護士、今年31歳、これなら大丈夫だろう。