秋の伊豆半島、山と石、海を見て歩く②
あるとき、夢とそっくりの山がテレビ画面に映しだされた。
伊豆半島の東側、伊東市の近くにある大室(おおむろ)山だった。
《この山に間違いない》
弟が、この秋は伊豆半島に旅行したいという。
それなら、ついでにこの山を見に行くことにした。
旅行前に買った地形図を見ると、
この山の等高線は頂上付近まで見事に等間隔で、目のつまった年輪のようだった。
《あの山の形を地形図ではこうなるのか》と変に感心した。
その地図を見ているときに気がついて。
山の右上に「伊豆シャボテン公園」と印刷されている。
《この公園、行ったことがある!》
ガラス張りの温室でシャボテンを見たというときの記憶がよみがえってきた。
山に登ったという記憶は戻ってこなかったが、
あまり興味のないシャボテンを見ている時間があれば、
絶対にこの山には登っている。
登山したことは間違いがなかった。