寂光院へは歩いて15分ほどだ。
その行く道に《大原女の小径》という看板があった。
大原女とは、柴(枯れた小枝)を束ねて頭に乗せ、京の町まで売り歩きに行った女たちのことだ。
その装束、紺の着物に赤いたすき、頭に白い手ぬぐいという姿は可愛いといえなくもない。
しかし、それにしても大原から京都市中までバスで約1時間。
そんな距離を歩いていったのだろうか。
もしそうだとするとなんともしんどいことだったろう。
前方を女の人が歩いていた。
地元の人らしい、この人も大原女というのだろうか。
もちろんあの装束ではなかったが。