いろんな悲しみがある。
弁護士はそれと向き合わなければならない。
例えば、離婚の悲しみ。
子供に悪いことをしたというざんげの気持ち、
本当に離婚してよいのかという揺れるこころ、
彼から、お詫びの連絡でもないかというすがりたい気持ち。
弁護士だから法律は知っている。
調停の手続きも、裁判のやりかたも知っている。
それをあなたに教えてあげることはできる。
ただそれだけではなにか足りない。
あなたの声のおびえが消えるように、
あなたの眼がしっかりと前を見つめるように、
あなたに生きる希望をあたえるように、
傍にいて、少しでも支えることができるように。
そんなのは弁護士の仕事ではないという人もいるが、
それはそうかもしれないが、それならそれは人としての仕事。
そう長くはないであろう、僕のこれからの弁護士生活の中で、
後に残しておきたいすてきな仕事として、今、夢見ている。(龍)