9月になれば秋風などが吹いて
涼しくなるかと思ったのに
うちわの風では足りず、
エアコンを担いで歩きたいような日々が続いている。
他人が側によるだけで汗がふきだしそうだ。
隣り合った人間同士でどれだけ離れて、
間をとればいいのかという話がある。
2回ほど前にしたうちわの芸妓の話、
間合いは、ちょうど1人半であった。
遠くもなく、近くなく、
うちわの風がさわやかにとどく絶妙な距離であった。
これも芸というものであろかと書きかけたが、
しかし、これは接客という厳しい仕事の中で、
身につけた高度な技術というべきかもしれない。
この人生、この人情