前回、墓参りの時にトンビを見かけないという話をした。
今年も暑い中を和歌山まで墓参りに行った。
寺の裏山に登ったが
やはりトンビは飛んでいなかった。
さて、お寺でのお坊さんの話も終わって
帰り路を歩いていた時である。
ピーヒョロロというトンビの鳴き声が聞こえた。
続けて3回も。
家内も「トンビが鳴いている」と言ったのだから
決して空耳ではないだろう。
ちょうど、その時は細い路地を歩いていた。
両側が壁のため、空のほんの少ししか見えず、
いくら眺めてもトンビの姿は見えなかった。
今年の猛暑の中、暑いので飛ぶのはやめて
せめて声だけは出しておこうとトンビが考えたのか。
万葉集の歌で、和歌浦の岸辺に向かって鶴が鳴いて飛んでいる
というのがある。
今の世で、鶴などは望むべくはないが、
せめてトンビの悠々と飛んでいる姿を見たいものだ。
この人生、この人情