2月14日、午後3時過ぎに近鉄の大和朝倉駅についた。
先週は駅の北側の方に降りて三輪山の麓を歩いたが、今回は反対側の南に行くことにした。
駅前にロータリーがあり、そこの坂を上がっていくと住宅街に入った。
敷地面積も広く、しゃれた家も多い、高級住宅街である。
北側は古い町だったが、南には全く雰囲気が違う街の景色が広がっていた。
その街を抜けたところのある広い道路を下ったところに用水路がある。
そこから左に、方角で言うと南に行くのが忍坂の古道であり、近畿自然歩道に指定されている。
この日、最高気温は7度程度と低かった。
しかし、天気もよく、風も吹いておらず、歩いていて爽やかであった。
進行方向の左側は少しの畑があり、その向こうは山である。
大和富士とも朝倉富士とも言われている外鎌山(とがまやま)である。高さは300メートル未満の低い山である。ただ、この古道からは富士山のような形には見えない。
手前に畑があり、その奥に林が山頂方向まで続いている。
樹木は落葉樹、竹、針葉樹と、それらが斜めの帯状に積み重なり、更にその上にもう一つ、落葉樹の帯がある。
この季節、落葉樹はその名の如く、葉を落としており、空に向けてほうきのような枝を広げているだけだが、それでも、景色全体にかすかな華やぎのようなものがある。
立春は今月14日だった。
いつも立春と聞くと、《寒いのに何が春だ》と思っていた。
しかし、よくよく考えてみれば、立春は《春になった》というのではなく、《これから春だ、準備期間が始まるよ》ということだろう。
家でエアコンをつけ、炬燵で温まっているときにはわからないが、こうして外に出てみると、木々が春に向けて準備をしている気配がある。
外鎌山麓のこの景色、春にはどうなるか楽しみです。
行く手前の景色。こんな景色が好きである。