《車掌はここが一番の見どころという》
旅行に行くときに必ず本を持っていく。
窓の外の景色をみるのにあきたとき、本を読みだす。
環境を変えると意外と新鮮な気持ちで頭に入ることがある。
これも旅の良さかもしれない。
今月中旬(3/15)に仕事で白浜に行った。
和歌山までは海がほとんど見えず、本を読んでいた。
海南から先は時折、海が見える。
湯浅を出てしばらくしていくと、遠くに海と島が見える。
短時間だが、ホッとする景色だ。
さて、南部(みなべ)駅に着く前に海が間近に見えるところがある。
窓の下には砂浜が続き、そのはるか先に田辺や白浜のあたりの半島が見える。
白浜までの間、海ではこのあたりが一番のいいところだろう。
特急列車なら、ここを通過するときに車掌が《目の前に展開する広々とした太平洋の景色をお楽しみください》と必ずアナウンスをする。
速度も、このすばらしい景色をご覧くださいとばかりに緩やかになる。
このあたりを《岩代(いわしろ)》という。
万葉集で有名な和歌がこの付近で作られた。