居醒の清水、十王水と湧水を見て、地蔵川を流れに沿って下っていくと《西行水》に行きつく。
ここでも山裾の岩の割れ目から水が湧き出している。
案内板には《西行水》というだけではなく、《泡子塚》とも書かれている。
西行水の看板 上に泡子塚と書かれている
それにしても、《泡子塚》とは何か?
この疑問は湧水の前にあった説明で解消した。
昔、鎌倉時代の有名な歌人である西行がここを訪れたようであり、その西行にまつわる話が《泡子塚》伝説である。
伝説を記載した泡子塚の説明文
これまでの湧水には、湧水の名前を書いた看板しかないのに、この《西行水》には、伝説にちなんでか、赤いよだれかけをした10体を超す石の地蔵と石灯篭が川の中に置かれていた。
ここが西行水
地蔵とは別に、湧水の湧き出す岩のところにやかんが置かれているのが眼についた。川の水が入らないようにするためか、透明のラップかビニールで包まれている。
お茶か何かを冷やしているのかとも思った。
しかし、季節は11月の初めであり、わざわざ冷やすべき時期ではない。
湧水に置かれているやかん
やかんは対岸の方に置かれており、こちら側からは手が届かない。
やかんを取り出すためには川の中に入って、向こう岸までいく必要があるが、「水の中には入らないでください」との立札がわざわざ立てられている。
川に入るなという立札(その右側にやかんがある)
一体なぜ、こんな対岸の岩かげにおかれているのか?
やかんと泡子塚とは何か関係があるのだろうか?
(大澤龍司)
(つづく)