今週(平成29年3月30日(水))、晴れ時々曇りのこの日、
京都に行った。
3月末というのにまだうすら寒いにもかかわらず
京都の八坂神社はまるで祭りでもあるかのように人が多かった。
平日なのに八坂神社のこのにぎわい
三条京阪から鴨川を見ても桜の花は1本も咲いていない。
ただ、出町柳にも、又、岩倉実相院にも桜が花開いていた。
少しピンクが強く、染井吉野ではないようだ。
東京では1週間ほど前に開花宣言が出たが
京都の花の季節はまだ少し後のようだ。
桜の開花シーズンは、どこに行っても京都は人でいっぱいだが、比較的、人が少ない散歩コースを紹介する。
京都駅から市営バスで約1時間、バス停《鷹峯源光庵》で降りる。
登り坂を少し歩けば光悦寺である。
江戸時代初期の書家、漆芸家で、国宝の漆芸作品である舟橋蒔絵硯箱(外部リンク:舟橋蒔絵硯箱)を作った本阿弥光悦(外部リンク:Wikipedia)の墓がある。
境内全体はかなり広く、茶室も5つ、6つほどある。
掃除が行き届いており、清潔な感じがする。
不思議なことにここには桜が1本もない。
背の低いピンクの花があちらこちらに咲いているが、
それはミツバツツジである。
静けさを感じさせる光悦寺の境内
同じピンクでも、これはミツバツツジ
境内の果ては崖になっている。
右手に鷲ヶ峰をはじめとする3つの山がそびえ
左手に京都市街が広がっており、少し雄大な景色が味わえる。
茶室の前の床几に腰かけ、谷から上がってくる川音を聞いておれば、
ゆったりした気持ちになれるだろう。
光悦寺から鷹ケ峯、鷲ケ峯などの山が見える
光悦寺を出て、坂を下って約15分も歩くと
史跡《鷹ケ峯のお土居》(外部リンク:御土居跡地図)が見えてくる。
秀吉が京都の周囲に造らせた土手(堤)の遺構である。
何年前であったか、ブラタモリでここがテレビに登場したことがある。
2年前の4月5日には、このお土居の枝垂れ桜が満開であった。
数は約10本程度しかなく、写真を見てもそれほど素晴らしいようには見えないが、これは写真を撮った私の腕とカメラが悪く、加えて薄曇りであったせいである。
(桜がいつもきれいというのは嘘である、曇りの時の桜ほど薄汚いものはない)。
お土居のしだれ桜が咲き乱れる
お土居自体はフェンスで囲まれているので入ることはできないが、向かって右のところに小さな道がある。
そこを歩くと頭上に桜があり、周囲に人がいなかったせいか、《桜が頭上で満開、花が降りかかる》という強い印象がある。
まさに、我が身に桜が降りかかるという感覚がした
このお土居の前に和菓子屋があり、《お土居餅》を売っている。
確か1つ、130円くらいであったろうか、買って食べたが、どこがどういう風に《お土居》なのかわからなかった。
ここでは、《団子より花》が正解ということにしておこう。
お土居餅・1個130円です
お土居を後にして更に約30分程度歩くと、平野神社にたどりつく。
ここの桜は数も多く、人もその分、多くいる。
平野神社は境内どこでも桜の花、花。そして人、人。
お土居の桜は、本数は少ないが、人も少ない。
平野神社は本数がものすごく多いが、人も同様にものすごい。
私は少ない方が、花を全身で感じることができて好きである。
しかし、多くの人と一緒に花を楽しみ、華やいだ気持ちをともにするというのもわかる。
さて、あなたはどちらのタイプが好きですか?
(弁護士 大澤龍司)