ものすごい数の仏像に驚きはしたが…
《京都 三十三間堂》
(2018.1.7)
《すごい》と言う人もいれば、
《すごい、すごい》と繰り返す人もいる。
私も、そう思った。
十一面観音像(千手観音でもある)が上下10段で、端から端まで長さ約120メートルの堂内に
びっしりと詰め込まれているのだから。
合計1001体という数のインパクト、本当にすごい。
ところで、よその寺の十一面観音は安らかな顔が多い。
しかし、ここの観音像にはそんな印象はない。
この寺は、平清盛の協力で作られたという。
同じ像が1000体近くも無表情に
同じ方向を向いている。
まるで兵隊の隊列ではないか。
武家のトップ、平家の棟梁であった清盛の心の中がわかるようだ。
悩む人間を救うためというのではなく、
自らの権勢や権力誇示の手段として作り上げたものに違いない。
三十三間堂に行ったのは今回が初めてだ。
これまで、この寺に行きたいと思ったことはなかった。
きっと、数や量のすごさで迫ってくるものに対する反発が
私の心の奥底にあったせいに違いない。
三十三間堂はこんなにも長い。通し矢で有名である。
(弁護士 大澤龍司)