粟原寺跡から忍坂の町並みに来たときにはもう太陽が沈みかかっていた。
大伴皇女の墓に寄っていこうか、どうしようかと迷った。
が、《やはり行こう》と思った。
夕暮れの二上山がどのように見えるか知りたかったから。
坂道と墓前の階段を駆け上り、上にたどり着いた時には、まだ、太陽は沈み切ってはいなかった。
墓を背にして、階段に腰かけて西の空を見た。
夕暮れの空に遠く、二条山の雄岳と雌岳が黒々と見えている。
ここから見ると山容はややいびつである。
15分ほど、見つめていただろうか。
風が強くなり、木々がこすれ合って、まるで悲鳴をあげているかのようだ。
もう日が沈む。
寒くもなってきた。
暗くなる前に山を下りよう。
真ん中の上側の2つのこぶの山が二上山。
右が雄岳、左のやや低いのが雌岳。
沈みかかっている夕陽が写真の真ん中の樹木群だけを照らしている。
太陽は沈み
夕暮れの山の上に小さい雲が2つ。