光太郎の愛 智恵子の愛④
智恵子抄にゆかりのある土地を訪ねた本がある。
福島県二本松にある智恵子の実家も掲載されている。
「数年前に初めて智恵子の生家を訪れたとき、
あまりに寂寥とした佇まいに、
智恵子が見捨てられているような印象を受け」た。
それから数年後、再訪したときには
「夜の知恵子の生家は
地上からのスポットライトで明るく照らされて、
時代劇のちょっとしたセットみたいだった。
そこだけが大正時代にタイムスリップしたような感じだった」
智恵子の生家は酒造業を営んでいたが、
昭和4年、智恵子が44歳のときに破産した。
その家が今もなお残っているという。
今、どのような状態だろうか。
そこに行けば何かを感じることができようか。
智恵子の実家に行きたいと思った。
※引用は、藤原牧子「智恵子抄を訪ねる旅」から※