事務所ブログ

てくてく旅行記

年の暮れの奈良を歩く⑦

【本当に風で指が凍えそうだった】

飛火野の南端は急な下り坂になっている。

南端の少し手前の地面が掘れてくぼんでいる。

大雨が降れば、川になるんだろうが、

普段は水が流れていない。

いつも少し水が溜まったぬかるみになっている。

この横に生えている木を毎年、撮影している。

同じ種類の木が川の上流の似たような場所に生えているから

こんな湿っぽいところが好きなのだろう。

この木の秋の紅葉をテレビのニュースで見かけたこともある。

冬は葉を落とし、枝だけが寒々と空に伸びている。

むき出しの裸で、斜面から吹き上げてくる風にひたすら耐えている。

その孤独というか、孤立というか、その姿がいかにもかっこよい。

去年(2020年)の大晦日は寒かった。

雪もちらつき、風も吹いて、カメラを持つ手がちぎれそうだった。

《頑張っている木には悪いが、わたしゃお先に失礼するよ》

と宿の方へ向っていった。

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